常議員会のいま 若手も自由に発言できる雰囲気

 私は常議員となるのが本年度が初めてであり、常議員会における審議事項や審議の進め方等具体的なことについては把握できていなかった。
 常議員となってみると、財政や規則に関する問題から日弁連への答申や各種会長声明に至るまで、常議員会の審議事項が当会内外の問題全般に幅広く及んでいることが実感できるようになった。また、自分が関わったことのない委員会経由で提出される議題については、私が問題点すら把握していなかった事項について理路整然と整理されているため刺激的で勉強にもなる。
 私は、常議員会について、「執行部の方針に異を唱える方が続出して激論が繰り広げられる」というイメージを抱いていた。しかし、実際には、正面からの反対意見はほとんどなく、「理事者提案事項についてはこのようにした方がより良いのではないか」という方向からの意見が多いように思う。
 また、常議員会には、若手会員であっても自由に発言できる雰囲気がある。
 私は、その雰囲気に甘えて自由に発言しているが、若手会員であっても、同期や支部を代表して常議員として選出されている以上、述べるべき意見は述べる必要があり、それが当会のさらなる発展につながると思う。今後も顰蹙を買わない程度に自由な発言を続けていきたい。

会員 種村 求(58期)
横浜弁護士会新聞 2011年10月号より転載

中高生が 模擬裁判と裁判傍聴を体験 サマースクール 2009

 7月28日、神奈川県内の中高生53名の参加のもと、模擬裁判と裁判傍聴を体験してもらう「サマースクール2009」が、当会主催のもとに開催された。
 当会では、普段から模擬裁判・裁判傍聴会・出前授業を行っているものの、学校単位での申込でなければなかなか参加がむつかしいものとなっている。そこで、夏休み期間中を利用し、また神奈川県内の中高生を対象に広く公募することにより多数の生徒に法教育に触れてもらうために開催しているのが、このサマースクールである(3年連続開催)。
 模擬裁判では、生徒たち自身が裁判官・検察官・弁護人それぞれの役を熱演した後、「窃盗の意思」の有無についての評議をおこなった。評議では様々な意見が飛び交い、結論を導いた理由付けもしっかりなされるなど、弁護士顔負けの内容であった。
 裁判傍聴では、刑事事件を傍聴し、生徒たちは実際の裁判官・検察官・弁護人の一挙手一投足を熱心に観察していた。
 生徒たちからは、「普段会話することのない他校の生徒と意見を交わすことができて貴重な体験をした」「一つの事件に対して『その事実があったのか』と判断することが想像していたより難しく、同時にとても楽しかった」「裁判や法律をぐっと身近に感じることができた」「1日を通して,裁判の重大さ,人を裁くことの大変さがよくわかった」「大人になったら是非裁判員をやってみたい」などの声が寄せられ、終了式のときの生徒たちの充実した表情が印象的であった。
 裁判員制度の実施や神奈川県知事から県教育委員長への「全県立高校で『模擬裁判』『模擬投票』が体験できるよう取り組んでほしい」旨の要請もあり、現在、法教育は活性化している。今後もサマースクールを継続し、法教育のさらなる発展に向けて取り組みたい。

(法教育委員会委員 種村 求)
横浜弁護士会新聞 2009年9月号より転載

中高生の裁判体験 -サマースクール 2007-

 8月23日、当会主催で、神奈川県内の中高生53名の参加のもと、裁判傍聴と模擬裁判を体験してもらう「サマースクール2007」を開催した。
 当会においては、従来から、出前授業・模擬裁判・裁判傍聴会を広く開催してきているが、5名以上の参加者がいないと申込みできない運用となっているため、生徒が法教育に興味を持ち、模擬裁判等を体験したいと思っても、学校単位での申込でないと参加できないという問題があった。
 そこで、夏休み期間中に開催し、また神奈川県内の中学生・高校生を対象に広く公募することによって多数の生徒に参加して法教育に触れてもらえるよう、今回の「サマースクール2007」を開催することにしたものである。
 裁判傍聴では、「こんなに細部にまで神経を張り詰めて尋問しているのに驚いた」との声が上がるくらい、証人尋問での検察官・弁護人の対決に熱心に聞き入る生徒の姿が印象的であった。
 模擬裁判は、深夜、倉庫に侵入した上、警備員を殴って怪我をさせて強盗致傷罪に問われた被告人が、「雨で濡れて寒くて仕方がなかったので寝るために倉庫に入った」旨弁解して強盗致傷罪の成立を争う、「窃盗の意思」の有無が争点となるシナリオに沿って行われた。生徒たちは、弁護士のアドバイスのもと、裁判官、検察官、弁護人の役に分かれて本番同様のやりとりを体験し、また少人数に分かれて評議を行った。
 評議においては、被告人の捜査段階の供述と公判供述の矛盾点を指摘する声が上がる一方、被告人の公判供述と客観証拠に矛盾点がないことを重視する意見が出るなど、活発な論戦が繰り広げられた。
 生徒からは、テレビドラマを見ていると、判決はスパッと下せるものだと思っていたけど、実際にやってみると、証拠をどうみるかといったことがあって、判決を下すのは難しかった、という感想があった。
 当初予想を大幅に超える中高生が参加し、生徒たちは満足げに帰宅の途についていた。見学した学校の先生からも本イベントを賞賛する声が寄せられていたことをあわせ、本イベントは大成功を収めたと言ってよいと思う。今後も継続してこの種のイベントを積極的に立ち上げ、さらなる法教育の発展に寄与していきたいと考えている。

(法教育委員会委員 種村 求)
横浜弁護士会新聞 2007年10月号より転載